ボクは初恋をまだ、知らない。
授業が終わると、るながトイレに誘ってきた。

机の上の物を片付けていた時、
先ほど破ったバーミリオンの紙が
床にハラハラと落ちていった。

「落ちたぞ、失敗作か?」

「あっ!!」

太陽先生に拾われてしまった…。
紙に染まるバーミリオンに気付いて、
太陽先生はじっとそれを見ている。

「………これは??」

すぐに手から奪い取ったボクは、
必死に言い訳を探す……

「こっこれは!
頼まれたブーケの色を考えてて…!」

また顔が赤くなってるかもしれない。
太陽先生の顔を見れないでいると、
「うーん」と思慮する声。

「…死んだ塊が朱色をしていたのが語源。」

「………え?」

「バーミリオンは和名としては朱色だが、
あまり意味は良いものぢゃないんだ。
だから、結婚式のブーケとしては頂けない。」

ボクの咄嗟のウソに、

真剣に考慮してくれる太陽先生…。

胸が痛いのに気付く。

「……ごめんなさい、嘘です。」


太陽先生の優しさに自己嫌悪。

ボクはすぐに観念した。




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