クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
『今、噂になっている、篠原ゆるちゃんのことです』
っ?!
まさか名前が呼ばれるなんて思わず、体がビクッとする。
私の前にいる子も、目を少し私に向けて眉間にしわを寄せた。
クラスメイトの全員が再び私に注目する。
『彼女が、俺たち特別寮のメイドであることは事実です。それが親の借金を返すためだと言うことも。でも、それと同時に、俺たち特別寮の、大事な家族の一員でもあります』
『あー!ちょっとエイちゃん、それ俺が考えたセリフー!』
『ちょ、翼、今すげぇ大事なとこ!』
まさかの翼くんの声もして、いつもと変わらない2人のやりとりが、私の心を溶かしてくれる。
しかも、今……私のこと……。
『家族』
って。
喉の奥に何か詰まったような感覚になって、目頭が熱くなる。
『まぁ、だから、俺たちの大事な家族のこと少しでも傷つけてみな?』
お得意のスマイルで話しているのがスピーカー越しでも伝わったと思った瞬間。