クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
*
「早凪くんっ!どこ行くの?朝礼始まっちゃうよ?!」
スタスタと歩いていく早凪くんに歩くスピードを合わせながら、彼の背中に向かってそう聞く。
「帰るんだよ」
「え、か、帰る?!」
早凪くんのマイペースな答えに驚いて聞き返す。
「秘密の場所、ゆるにだけ教えてあげるから」
早凪くんは、足を止めると、首をこちらに向けて少し意味ありげにニッと笑ってから、再び歩き出した。
秘密の……場所?
校舎を出て早凪くんが向かっている先は、やはり特別寮。
彼がフワァとあくびをしているのを確認する。
早凪くん、今日も眠いのに無理して私のこと助けに来てくれたのかな。
じゃあなおさら、私のことなんて邪魔なんじゃ。
もし休むなら、私がいない方が断然落ち着くはずなのに。
頭であれこれ考えていると、あっという間に寮に着いて、
いつも使ってる裏方専用の入り口とは別の、寮生の使う正面玄関についてしまった。