クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「あの、早凪くん、私、教室戻らなきゃ」
「……」
玄関に入ってやっと立ち止まった背中に声をかける。
早凪くんは特別寮の生徒だから自由でいいかもしれないけど、私はそうはいかない。
ちゃんと出席して授業を受けて、単位を取れるようにしなきゃ。
昨日、サボっちゃったし……。
「早凪く────」
「お!早凪、帰ってきてたんだ、って……ゆるちゃん?!やっぱり教室行くの難しかったかな?」
反応のない早凪くんにまた声をかけようとしたら、明人さんがひょこっと現れた。
「あ、いや、特別寮のみんなが色々助けてくれて、なんとか……」
「へえ!やるじゃん、3人とも。あれ、じゃあなんで……」
「俺がゆる不足だから」
「へっ?!」
早凪くんの返答にびっくりしながら、固まっていると、再び手首を掴まれて、彼はズンズンと歩いて行った。