クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「ダメに決まってるでしょ」
「へっ、ちょ」
ハンモックから身体を離そうとすると、早凪くんの手が伸びてきて私の身体を引き寄せた。
「言ったよね。ゆるは俺の抱き枕だって」
「そんなこと許可した覚えないよ……」
「へ〜、助けてもらったのにそんなこと言うんだ?」
「うっ……」
意地悪だ、早凪くん。
そんなこと言われたら、黙って言うこと聞くしかないもん。
「ん、やっぱり落ち着く。ゆるの匂い」
「……そんな特別なもんじゃないよ。早凪くんは、どうして私のことかばってくれたの?」
「どうしてって、家族のこと守るのに理由いるの?」
「……家族」
早凪くんの口から意外な言葉が出てきて、内心びっくりしてしまう。
人のことに興味がないと言われている早凪くんから、まさか『家族』なんて言葉が出てくるなんて。
こんな何もない私が、そんな風に思われて良いのだろうか。
「学校でもこれからちゃんと一緒にいるから、これぐらいのわがまま許してよね」
早凪くんは、私の耳元で優しくそう囁くと、すぐに気持ち良さそうな寝息を立てた。