クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
起こすのは悪いって気持ちと、風邪をうつしてしまったは悪いという気持ち、両方で揺れる。
でも、やっぱり、うつしちゃう方が悪いよね。
明人さんも、早凪くんは身体が弱いからすぐにうつっちゃうって言っていたし。
「……早凪くん?」
静かにそう名前を呼んでも、ピクリともしない。
学校に行って、相当疲れたのかも。
「ねぇ、早凪くん起きて」
気持ちよさそうに寝ている人を起こすのは、やっぱりあまりいい気分ではないけれど、風邪をうつしてしまうよりいいに決まってる。
「早凪くん」
3回目、名前を呼ぶと、眉がピクッと動いた。
「ん……ゆる、起きたの?」
寝ぼけた、早凪くんの気だるそうな声。
ゆっくりと上半身を起こして目をこすっている。
その瞬間、少し緩められた手から手を離して、私も身体を起こすと、ボトッっとおでこから濡れタオルが手元に落ちてきた。
明人さんが、してくれたのかな……?