クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
*
なんだか上がらないテンションのまま家に帰り、掃除や家事をこなして。
その間、明人さんと話したぐらいで早凪くんには会っていない。
昨日、あんなに距離が縮まったと思っていた彼が、すごく遠くに行っちゃった感じがして。
夕食の時間、いつものようにサービスワゴンに今日の晩ご飯を乗せてからダイニングへと向かう。
ガチャ
「わ〜やっと来た〜!もう莉々お腹ペコペコだよ〜!アキくんの作る料理食べるのもすごく楽しみにしてたんだ〜!早く食べたい〜!」
「おい莉々、少しは大人しくしろよ」
早凪くんの、まるで莉々ちゃんの扱い方に慣れている口調。
昔から知っているとはたからこんなわかるくらい、距離が近いんだな。
「莉々ちゃんほんっと元気だよね〜」
瑛斗さんも楽しそうに莉々ちゃんのことを見る。
あぁ、やっぱり、今までいた場所がおかしかったんだ。
そもそも私は、屋根裏部屋に住み込みで働いているだけのメイド。
彼らとは何もかもが違うんだ。