クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「ふふっ、だって早凪の顔が見れたんだもん!どんどんイケメンになってて、莉々、心配」
「え〜莉々ちゃんもどんどん可愛くなってるよ〜」
瑛斗さんにそう言われると、莉々ちゃんは両手で口元を隠すようにして「も〜瑛斗さん誰にでも言うでしょ?」なんて照れたように笑ってる。
『可愛い』って言われることに慣れてる子の反応。
それに……彼女が座ってる席、私がいつも座っている席。
「あ、ゆるちゃん、ゆるちゃんは今日ここね!」
私に気付いた翼くんが、サービスワゴンに乗った食事をテーブルに置いてから、翼くんの隣の席を指差した。
「あ、うん、……ありがとう」
一緒に食器を並べたあと、遠慮がちにテーブル椅子に腰掛けると、すぐにみんなの『いただきます』の声が響いた。