クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


チラッと中庭の2人を除くと、ビキニの上からバスローブを羽織っている莉々ちゃんと、中庭のサマーベッドに横になっている早凪くんの姿が見えた。


なにやら、莉々ちゃんが中庭のプールに一緒に入ろうと誘っているらしい。



「莉々1人で入ればいいでしょ。俺ここで見ててあげるから」


「嘘、絶対寝るじゃん!」


「昨日寝かさなかったのはどこの誰?」


早凪くんにそう言われてプクーと頬を膨らませる莉々ちゃん。


昨日の夜、2人一緒だったんだ。
そう思うだけで、ギュッと胸が締め付けられる。


早凪くんも、莉々ちゃんとふたりきりのとき、私にしたみたいに触れたりするのかな。


少し考えるだけで、なぜか泣きそうになってしまう。


「早凪……お願い」


莉々ちゃんの泣きそうな甘えた声。


バスローブの間から見える、莉々ちゃんの華奢なのにしっかりと女の子らしい身体と白い肌は、女の子の私でもドキッとしちゃうような理想体型。


あんなの見せられたら、早凪くんだって……。


普段他人に興味なさそうな早凪くんだけど、莉々ちゃんにはなぜかそんな雰囲気を一切見せない。


莉々ちゃんといる早凪くんはどこか大人っぽくて、いつもより増してカッコいいんだ。


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