クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。





「わぁ〜おしゃれな店……」


「この辺りで一番美味しいパンケーキ屋さんなの」


円と合流して、円が用意してくれた高級車に乗り込んで10分して車から降りると、


一瞬、美術館かと思ってしまうような建物が目の前に立っていて、思わず口をあんぐりさせてしまう。


これがカフェというんだからさらに驚きだ。


こんなところ、私みたいな庶民が足を踏み入れてもいいのか。


「さ、行きましょ」


慣れたように店内に入っていく円の背中を慌てて追いかける。


入り口がもうキラキラしてて、まるで、宝石箱の中に飛び込んだみたい。


あっ、お金っ!


こんなすごいところに連れて来られるなんて思ってなくて、慌てたショルダーバッグの中を確認する。


一体、一品でいくらぐらいなんだろうか……。


「私が誘ったんだからいらないこと考えるのやめなさいね。ゆるみたいな庶民が払える額じゃないし」


円がそう言ってこっちを振り返る。


「えっ!そ、そんな!でも……」


「でもじゃない」


円はピシッと私にそういうと、再び振り返って店員さんに案内される。

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