クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「いらっしゃいませ、門枝さま」
「こんにちは。個室は使えるかしら?」
円は、店員さんにそういいながら、ゴールドの校章が入ったホワイトカラーのカードを見せた。
「はい、もちろんです」
カードを見て店員さんが答えると、流れるように奥の部屋へと案内される。
全部が初めてづくしで、ただ円の背中を追っかけることしかできない。
「それではご注文が決まりましたら、ボタンでお知らせください」
個室に通されるまま席に着くと、店員さんが私たちにそう言って個室を後にした。
「す、すごいね……」
あまりのすごさに息を飲んでいて、やっと言葉が出た。
「この店の個室は、星音学園の生徒と他のセレブさんしか使えない部屋なの」
「ほへー……」
すごい学校だとは思ったいたけど、こうやって外でじかに特別扱いされているのを見ると、本物のお金持ちたちしかいない学校なんだと思い知らされる。
あのカード、あんな風に使うんだな。
私も、理事長からもらったけれどなかなか使えられないよ。
そもそも私のような人に、あのカードを使う資格なんて……。