クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
早凪くんは私のことを、家族のような存在だって見てる。女の子としてじゃない。
私が、早凪くんを恋愛対象として見ていたらそれこそ迷惑な話で。
他の2人や、明人さんにだってきっと迷惑だ。
私の気持ち1つで、築き上げられてきてる家族の関係が崩れちゃうなんて。
そんなのは絶対あってはいけない。
だから、無意識に私は、この気持ちに蓋をして。
『恋』
きっと、自分で認めるのが怖くて、円に言わせたんだ。
卑怯だ、卑怯すぎるよ、私。
円はあんな風に言ってくれたけど、莉々ちゃんに勝てる自信も、早凪くんに好きだっていう勇気もない。
ただ、この気持ちをちゃんと円に説明できたのは、よかったのかも。
はぐらかすのにも限界があったし。
また、彼女をたくさん知ることができて、距離が縮んだ。
そして、自分の本当の気持ちに真正面から気付かされて、ふたたび頭を抱えた。