クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


「え、なに。ゆるって、莉々にヤキモチ妬いてるの?」


「は、はぁい?!」


早凪くんのど直球な問いに思わずそう声を上げたと同時に、彼から勢いよく離れる。


顔が熱くって、こんなんじゃ、早凪くんに気持ちがバレると思って髪の毛でとっさに顔を隠すように横を向く。


「早凪くんのそういう言動で、傷つく子がいるってこと。私は早凪くんが誰とどうしようが別になんとも思わないよっ」


心に思ってもないことがよくもまぁポンポンでてきちゃうな、と自分でも関心してしまう。


「ふーん。ゆるの言いたいことはわかったよ。とりあえず早く帰ろう。夜9時には校舎は閉まるから」


「えっ……あっ、うん」


どうしよう。
言っちゃった後にものすごく後悔する。


私のこと、嫌いになっちゃったかな、早凪くん。
いくらなんでもあんな言い方はただの八つ当たりだよね。


学校が閉まることを頭に入れてなかった自分にも、なにやってんだ、と恥ずかしくなって。


私は仕方なく早凪くんに返事をして、学校を後にした。


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