クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


「助けて欲しいのは事実だし」


「はい?……ちょっ」


突然、水の中から早凪くんの手が伸びると、私の腰に手を回してきてそのまま引き寄せた。


お互いの濡れた衣服と肌が触れて、水は冷たいのに、シャツを通して早凪くんの体温が伝わってきて、こんな時でも、ドキドキと胸が高鳴ってしまう。


「ゆるに触れてなくて死にそうだから、助けて」


「……なにそれ」


口では冷たくそう呟いておきながら、心では、早凪くんに久しぶりに触れてもらえて喜んでる自分がいて、もうわけがわからない。


「明らかに俺のこと避けてるでしょ」


「……っ、」


だって、そんなの早凪くんが悪いよ。


「莉々ちゃんいるから、私じゃなくてもいいでしょ」


莉々ちゃんの方が気心の知れてるみたいだし、それなら、彼女に抱き枕になってもらったほうがいいに決まってる。


「……莉々とはそういうんじゃないから」


そう言った早凪くんの抱きしめる力が強くなる。


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