クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
だからって、莉々ちゃん1人を寮において置くのが、かわいそうだって言うのもわかるけど。
莉々ちゃんには、呼べばすぐ来てくれる執事さんがいるじゃない、なんて考えちゃう。
「え〜!莉々も行きたい!行きたい〜!もしかして、みんな莉々のこと置いていくつもりだったの?早凪も?」
「だって、莉々今日予定があるって言ってたでしょ。だから敢えて言わなかっただけ」
早凪くんのセリフに、莉々ちゃん予定があったんだ、とどこかホッとすると同時に、
じゃあもし莉々ちゃんに予定がなかったら、早凪くんは莉々ちゃんのことを誘っていたんだろうかと思うと、胸がまたモヤモヤしちゃう。
「いい……予定はキャンセル!私は早凪と花火を見に行きたい!」
「早凪だけじゃなくて、俺たちもいるけどな〜?」
と瑛斗さんに言われると、莉々ちゃんは少し頬を膨らませて、早凪くんの腕に手を回した。
「浴衣ならもう一着もってるよ!」
そう言ったのは、翼くん。
そのセリフに莉々ちゃんが目をキラキラさせて。
「じゃあ、莉々ちゃんも一緒に着替えに行こ」
私は、完全に諦めてそう言った。