クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
『私の家で着替えれば、大会会場で宇垣くんと会ったときに浴衣姿見せられるじゃん!ゆるのかわいい浴衣姿でグッと宇垣くんの気持ちを掴むチャンスだよ!』
円のそんな提案で、円の家でわざわざ着付けをしてもらうことになったのに。
まさか、莉々ちゃんがいるなんて。
円も特別寮の3人も、立派なお金持ちだから、庶民が参加するような屋台が並ぶ花火大会なんて初めてらしくて、みんなも喜んでくれてたのに。
今日もわざわざ外にまで出て莉々ちゃんのわがままに付き合うのかと思うと、憂鬱になってしまいそう。
せっかく、円に着付けしてもらえるっていうのに。
「わ〜〜!すっごく広いおうち!!」
円が用意してくれた高級車から降りて、円の家に入ると、莉々ちゃんがそう言った。
「いいのよ別に。宇垣くんもほかの2人もいないんだし、そういうのいいから」
うわ〜と目をキラキラさせてる莉々ちゃんに、円がきっぱりとそう言った。