クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。





着付けが終わり、円にメイクやヘアアレンジをしてもらって、莉々ちゃんと3人、花火大会の会場に着いてから、会場の入り口の方で早凪くんたちを待つ。


その間、全員終始無言で。


円は、私の準備を手際よくやってくれたあと、自分のこともこれまたササッとやるもんだから関心した。


家が茶道の家元なぐらいだから、そういうの、徹底しているんだろう。


莉々ちゃんはというと、彼女も彼女で、バッチリ着付けできていて、しかもいつものツインテールが、頭の高い位置で綺麗に1つお団子になっているからびっくり。


こういうの、自分じゃできないタイプの子なのかと思っていたから。


後れ毛で可愛らしさを残しつつも、いつもより大人っぽくて、悔しいけどすごく綺麗だ。


翼くんが、莉々ちゃんに貸した浴衣も、薄ピンクを基調とした桜の柄で、可愛らしい彼女に本当によく似合っている。


誰の力も借りず、自分をここまで可愛く見せることのできる莉々ちゃん、きっと才能だ。


メイクの雰囲気もいつもと違うし。


きっと、彼女の持ってたバックの中には、化粧ポーチやヘアアクセが、常に用意されているんだろう。


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