クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


一緒にいこうと先に声を発したのは私だけれど、やっぱり心から楽しめる気がしない。


「あっ、いたーー!!」


聞き覚えのある陽気な声が聞こえたので顔を上げると、そこには、瑛斗さんが浴衣姿で手を振っていた。


瑛斗さんは、黒の浴衣に黒のハット帽を被っていて、浴衣姿でも、並外れたセンスを醸し出していた。


ハットの中から見える金髪が大人っぽい浴衣となんともまあ相性バツグンで。


瑛斗さんの横には、翼くん、早凪くんが続いていて、二人もほんっと絵になるぐらいかっこいい。


道行く人全員が振り返ったり、小声で3人のことを見ながら何やら話していたり。


その中には、『星音特別寮の3人じゃん!』と彼らのことを知ってる人もいて。


一般の人にも認知されてるほどの人気ぶりを実感して、今から彼らと行動を共にすると思うと、なんだかいつもと違う緊張が襲ってくる。

< 271 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop