クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


なんとなく恥ずかしくて後ろを向けずにいると、明人さんが口を開いた。


「早凪、この子、新しいメイドの篠原ゆるちゃん」


「……」


無言のままの彼。
まだ、怒ってるかな、私が寝顔を見ちゃったこと。
そして、あの不敵な笑みはなんだったのか。
何か仕返しを考えてる?


────ギュッ


……へ?


突然、全身が何かに包まれて、ふわっと石鹸の匂いが鼻をかすめた。


「うわ、何。早凪大胆だね」


チラッと視線を落とすと、クリーム色のブレザーを着た腕に抱きしめられていた。


な、な、何これ!!
さっき、日比野さん、『早凪大胆』って言ったよね?この腕って……。


「俺のだから、取らないで」


頭の上でそんな声がした。
少し不機嫌そうで、でも、落ち着いた声。

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