クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


「美味しいっ!」


味わって飲み込んで、思わず大きな声が出た。


「ねっ!ほんっと最高!」


翼くんもそう言ってくれて次々と口の中へたこ焼きを運んでいく。


明人さんもすごく満足そうで、瑛斗さんも翼くんに負けないくらいパクパク食べていて。



たこ焼きパーティーにして、良かったって、心から思う。



「さ、まだまだあるからどんどん作りな〜」



明人さんのその声に「はい!」と返事をして、私は早凪くんと一緒に、たこ焼き作りを始めた。



早凪くんは、たこ焼きの存在だってよく知らないって感じだったのに、たこ焼きを回すのがすごく上手で。


そんな彼に比べて不器用な私はなかなかうまくいかなくて、時折、早凪くんが私の手に、自分の手を添えてくれながら、コツを教えてくれていた。


そのたんびに、心臓がドキドキして、全く集中できなかったけれど。


だって……男の子と肩をくっつけて座るなんてこと生まれて初めてだったし、早凪くんはさらにいちいち距離が違いんだもん。


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