クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
なんとかたこ焼き作りも全て終えて、あっという間にペロッとみんなで食べ終わってゆったりしていると、
先ほど厨房に戻っていたはずの明人さんがリビングに再び顔を出した。
「うわーー!アキちゃんなにそのケーキ!」
翼くんのその声で、みんなが明人さんに注目する。その手には、大きなお皿に乗せられフルーツどっさりのホールケーキ。
「え、なにこれ、アキが作ったの?」
ケーキと明人さんを交互にみてそう聞く瑛斗さん。
「あぁ。ゆるちゃんがね、提案してくれて。たこ焼きだってそう。この寮で笑ってたくさんの思い出を作って欲しいって。お前ら3人に」
明人さんの言葉に、なんだか恥ずかしくなって下を向く。
まだ出会って間もない人間が、押し付けがましかったかなって、今になって心配するなんて。