だから何ですか?Ⅲ
こいつの言葉をこんなに素直な心持で受け入れる日が来るとは。
いつの間にか次に発せられる言葉に期待して、食い入るようにその姿を見つめてしまっている。
まるでお告げを待つが如く。
「あの時・・・俺に格好良く宣言した事を実行すればいいだけなんだよ」
「・・・あの時・・」
「リオの感情心情なんて考えたって分かる筈ないじゃない。リオに限らずいつだって他人の心の芯なんてわからない。だったら信じるべきは確実な自分の思いしかないじゃない」
「・・・・・・・あ、」
「そ、・・・好きでい続ければいいだけでしょ?好きなんだもん。拒まれて終われるそれじゃないなら追いかけるしかないし・・・『好きにさせるまで』なんじゃなかった?」
「・・・・・・」
トンと胸を突いてくる指の力は特別強くはなかったというのに、何か鋭い物を撃ち込まれたような衝撃。
でも、痛みを広げると言うよりは痛みを緩和する別の衝撃を与えられたような。
陰って曇っていた自分の心の内がクリアになるような。
確かに・・・・堂々巡りの思考だったのだ。
答えが出る筈のない、答えに繋がる筈のない迷路に自らハマって無駄に同じところを歩き回って。
いつだって戻るのはあの夜やもっと前の記憶ばかりで、何故そうなったという原因ばかりを探し求めすぎていた。
原因となりそうなそれを見つけたところで今の関係が元通りになる筈でもないと言うのに。
肝心な・・・自分の気持ちをおろそかにし過ぎていた。