だから何ですか?Ⅲ



そんな賑やかすぎる現状に一瞬自分の目的を忘れかけていたけれど、思い出させるように耳に入り込んできた声に引き戻された。



『何でまた高城なんかに・・・』


「よく分かんねぇけどそこでも秘書してるみたいだな」



携帯の向こうから響くのは現状報告にやはり驚きを隠せない様な海音の声音。


全くの予想外だと響く声音で理解する。


そりゃそうだよな。


どういういきさつで亜豆がそこの秘書に収まったのか。


この中途半端な時期に秘書募集があったとも思えないし、亜豆がここをやめたタイミングに募集がかかっているのも出来過ぎた流れであるし。


そもそも、俺と別れるタイミングにここを辞めたのだってどんな理由でだったのか。



「本当に、思い当る節ないのかよ、海音」


『・・・・・』


「・・・海音?」


『・・・・いや、ない事もないんだが・・・でも、やっぱりイマイチ繋がりきらないって言うか』


「なんだよ?些細な事でも言えよ」


『・・・・少し前に・・・出席したパーティーが高城の新社長就任のお披露目式だったんだ』


「・・・・亜豆が急遽同行したパーティーってやつか?」



それは記憶に鮮明にある。


珍しく仕事に前向きでなかった亜豆の姿がはっきりと脳裏に浮かぶほど印象に残っている。


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