だから何ですか?Ⅲ



あの日のパーティーが高城の関わるものだった。


それは繋がりとしては充分な事の様にも感じるけれど。



「そこで何か変わった事は?」


『いや、特には。普通に当たり前の挨拶や会話をしただけだし。それに凛生がああいう場を苦手としてるのは知ってたから無理矢理同行させてなかったんだ』


「海音のいる前では特別亜豆と高城社長との関りはなかったって事か・・・。ちなみに・・・高城ってどういう奴?」


『歳は若手社長と言われる俺らと同等。眉目秀麗、温厚誠実、男女問わず隔たり差別なく接するから人望に厚い人物だって聞くけどな』


「・・・そう・・なのか」



確かに、高城の会社に関して悪い噂を聞いた事はない。


一瞬は何か目論み合って亜豆を引き抜いたのかとも思ったけれど、そもそも悪意のあるそれであるなら亜豆が見抜けない筈もないし。


そこが繋がりでありそうだと明確であるのにどうもつなぎ合わせる肝心要のピースが足りない。


別れの言葉といい、この転職の理由といい、どこまでも亜豆は肝心のピースを持ったまま消えてしまっていてどうにもならない。


残された方は悩ましい顔を突き合わせ唸る以外出来なくて、今もまさに電話越しで俺と海音が同じような顔で唸りあっている場面だろう。


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