だから何ですか?Ⅲ
「ぶっ・・・」
確かに・・・意識がおろそかだった。
反射的に動いた体に視線は後追いだった。
だから、体が動き始め、ようやく視線が前に意識した瞬間に前方から飛んできた物には対処が遅れて顔面キャッチ。
それでも驚きはあっても痛みはなく、ぶつかってずるりと落ちるそれは何とかキャッチし視界に収める。
「・・・・メロンパン」
しかも焼きたてなのかビニールが湯気で曇って手にはまだ熱いに近い温かみが広がる。
ほんわりと甘いバニラの匂いも漂い、空腹も煽って腹がなったタイミング。
「・・・呆れました。居るとは思いましたが本当に居るとは」
言葉のままに呆れ交じりの声音と息遣い。
それにパンから意識を逸らして視線を上げれば、捉えるのは腕を組んでこちらを見つめる無表情。
いつもより僅か距離が開いているのは亜豆なりの警戒なんだろうか?
いや、この程度の警戒だと本気出せば一瞬で襲い掛かれるけどな。と、思った思考は今は捨て置いた。
「・・・・亜豆、」
今は・・・どっちかと言うとさっきの戸惑いの方が勝って俺への警戒なんてどうでもいい。