だから何ですか?Ⅲ
「また倒れられても困るので。知ってます?ストーカーするにも体力は必須なんですよ」
そんな事を言いながら俺の寄りかかっていた壁並びにトンっとその身を預けた姿が煙草を咥えて火を着ける。
ここで一服?と小さな突っ込みが浮上するもそれすらも捨て置き。
それでも、・・・場所が違えどその横姿は変わらないのな。
何食わぬ感じに煙草を吸う横姿が好きだった。
あの時間がどれだけ貴重な時間であったのか今は痛い程身に染みて知っている。
だからこそ今この瞬間は場所が違えどどこまでも奇跡的な時間の再来。
「・・・・食べないんですか?焼きたてゲットするのなかなかの至難なんですが?いらないのなら私にください」
「いや・・・食う」
「召し上がれ。・・・・それ食べたら帰ってください」
「これ食ったらデザートは亜豆じゃなくて?」
「・・・・変ですね。チョコレート成分はその中に入ってなかったと思うのですが?」
この会話にはうっかり小さく噴き出してしまった。
だって、・・・なんか何も変わらない。
横目で盗み見た亜豆は煙草を噴かす無表情で、その隣でそんな亜豆すら愛おしいと感じて笑う俺と。
何にも・・・変ってないと思うのにな。