だから何ですか?Ⅲ
場所があの屋上でないという事が、無条件で手を伸ばし触れられないという事がこんなに大きな隔たりだなんてな。
それに悲観を感じていても仕方ない事なんだと言う事も学んだけれど。
とりあえず腹ごしらえだと貰ったメロンパンに噛り付きながら胃の腑の嘆きを治めていく。
そんな横で特別声をかけるでもなく煙草を噴かせ曇天を見上げている姿。
こいつは食ったんだろうか?
そんな疑問もチラついて、
「お前は?」
「何がですか?」
「飯、・・・食った?」
「この一服終えたら食べに行きますから引き止めないでくださいね」
「狡ぃぃぃ~~、そう言われたら引き止めらんねぇじゃん」
「だから、まっすぐに帰ってくださいって」
「嫌だ、」
「・・・・はぁっ、」
堂々巡り。
そう思ったのか締めくくりは溜め息ばかりで、スッと自分から逸れてしまった視線には僅かに物悲しさが疼いて苦笑い。
そうして話している間にも食べ進めたメロンパンはあっさり腹の中に収まって目の前から消えてしまう。
隣で亜豆が吸っている煙草も然りだ。
「・・・・どうしてなんだろうな?」
「・・・・はい?」
「どうして・・・もどかしい気持ちで待つ時間は永遠みたく長く感じるのに・・・・・やっと訪れた時間はあっという間に過ぎてなくなる」
「・・・・何、ガラにもなくセンチメンタルな事言ってるんですか」
「ガラにもなくって・・・」
お前なぁ。とその視線を向けた瞬間に目の前で途絶えられた紫煙が漂い消える。