だから何ですか?Ⅲ
「何様ですか?」
「あっ?」
「伊万里さんに私の心境状況を詳細に説明する理由はありません」
「はっ?俺は心配を、」
「それが余計なお世話なんです!」
「お前、」
「恋人でもない癖に、っ・・・迷惑なんですよ!」
「っ・・・」
あ・・・、
カチリと?
プチリと?
とにかく・・・スイッチが入り何かが切れる。
だって・・・
それはないだろ?
勝手に・・・恋人をやめさせたのはお前じゃねぇか___。
高ぶった感情の意識はまともでない。
掴んで、振り回して、まともに視界が安定したのは彼女を近くの壁に押し付けた時。
それでも感情の高ぶりは落ち着いておらず、鼻先が触れそうな程の至近距離から刺し留めるように睨みつける。
唇に亜豆の息がかかる。
憤っている筈なのに唇に感じる息遣いには余計な熱も混じりそうで。
それでも・・・やはり、
「ふざけるな、」
「・・・・・・」
「全部・・・・お前が勝手に離れたんだろうが、」
「・・・・・・」
「勝手に、終わりにしたんだろうが、」
「・・・・・・」
「最後の最後まで『好き』だなんて振り回しておいて、」
今もだ・・・、
今も・・・まさに。
こんな風に亜豆に詰め寄るのは何度目か。
幾度となく振り回され似たような瞬間を迎えたと思う。
似たような感情で、似たような状況で、こんな風に至近距離から亜豆に対峙して。
いつだって・・・・俺の憤りは空回る。