だから何ですか?Ⅲ
らしくない。
そんな事を思うのは俺の勝手な感覚?
どういう心情だ?とその表情に探りをかけようにも、押し離した直後には俺に背を向け歩きだしていた姿は振り返る事もしてこない。
そんな後ろ姿に何故か俺も『亜豆』と呼びかけにくくて。
だって、『呼んでくれるな』と去っていく後ろ姿に言われているようで、なんだか色々な事に違和感を感じて困惑する。
そんな俺の耳に再び響く、
「本当に・・・きついんだから亜豆は」
困った子だなぁ。
そんな風に言いたげな声音に介入してきた姿存在を思い出してに意識を戻した。
その姿の視線も去っていく亜豆の後ろ姿に集中していて、軽く眉尻の下がった笑みで建物内へと消えていく姿を見送るとようやく俺に視線を戻し困ったように微笑んでくる。
「悪い子じゃないんだけど。・・・ちょっととっつきにくくてね。申し訳ない」
「いえ、・・・知ってます。ああいう在り方だって知ってての付き合いなので・・・本当、大丈夫です」
「ああ、じゃあ、やっぱり俺の介入はお節介だったかな?亜豆も知り合いならもっと柔和に対応すればいいのに」
「・・・本当・・・いいんです。中身はああいう感じじゃないの・・・知ってますから」
あなたが申し訳なさそうに俺にあいつを説明する必要はない。
言われなくても亜豆の本質は充分に分かっている。
そんな風に反発的な意識を持つ自分の感じの悪さには自己嫌悪も浮上する。