だから何ですか?Ⅲ
曖昧な夢の記憶を探りながらまだどこかおぼつかない足取りで薄暗い廊下を歩いて洗面所の扉の前へ。
そういえば静かだな。
雛寝たのか?
なかなか捕まらない記憶の端に諦めて、追って浮上したのはそんな疑問。
リビングの方からは物音がしないな。と、思いながら洗面所の扉を開けば、予想外に煌々とした明かりに出迎えられて目を細めた。
と、同時、
「っ・・・びっくりしたなぁ!!もうっ!!」
「・・・・・・うわ、なんか・・・目に劇物」
そう言った瞬間に腹部に容赦なくめり込む鉄拳には体が当然前のめり。
いや、俺病人だからね?
そんな恨みがましい目で見つめ上げる姿は風呂上りだったらしくレースも柄もない超絶シンプルな黒の上下下着姿。
何が悲しくて実の姉の下着姿を見なきゃいけないんだ?と、心底うんざりした直後の追い打ちのこの鉄拳ときたものだ。
「どうやら動ける程には回復したみたいね?」
「・・・おかげさまで」
鉄拳食らえるほど回復はしてなかったんだが。と内心思いつつその感情は溜め息で逃して。
元々の目的であった着替えを為そうと着ていたシャツを特別遠慮もなしにその場で脱いで洗濯機に放り込んだ。