だから何ですか?Ⅲ
それを十分に会話内に理解したらしく何かを言いかけたがるも音を発しない唇が緩々と閉じられキュッと真横に線が引かれた。
「とにかく・・・まずは部屋に戻りましょう」
ようやく発せられたのはそんな現状優先事項の発言。
確かに、そうだな。
閉じたままであった扉を開き、亜豆に支えられながらふらつく足取りでそう遠くない筈の自室に歩みを進める。
室内に戻れば雛からの当然の鉄拳・・・は、さすがに無く、ただ一言『寝ろっ!』と服と薬を投げつけられた。
いや、これすらも当然の扱いだろう。
雛は雛で扱いは雑でもちゃんと俺を看病しようとしてくれていた数日だ。
それに対して尽く反抗して無下にしてきた俺なんだから。
フンッと鼻を鳴らしリビングに消えていく姿にオロオロと狼狽えたのは亜豆だけで、それでも優先すべきは俺の体調の方だと判断したのだろう。
受け取りそこなった薬の箱を亜豆が拾い、俺を寝室に誘導するとベッドに座らせ雛が渡してきた服を俺に着せてくる。
どんどんと上がる熱を感じながらも目の前に亜豆がいるという現状が妙に嬉しくて、『どうせなら脱がされて襲われたい』なんて半分は本気である冗談を口にすると呆れたような眼差しがチラリ。
そうしてヤレヤレと首を横に振りながら、プチプチと音を立て薬を2錠掌に取り出した。