だから何ですか?Ⅲ





「・・・・『口移しで飲ませて』」


「・・・・はっ?」


「そう言われる気がしたので・・・言われる前に封鎖してみました」


「・・・・キスしたかったって素直に言えよ」


「救済行動です。・・・薬も無事投与したんですから後は睡魔に攫われてしっかり充電しきってください」



やるべきことはやった。


俺の言葉に否定的な表情と態度を見せた姿がそのまま視線を逸らし立ち上がりかけるのをさすがに手を伸ばして腕を掴んで引き止める。


でもきっと、こんな俺の引き止めに驚きはないんだろう?


容易に予測のついていた事で、それでもやっぱりこうなってしまったという感覚には当たり所のない呆れがあって。


それでもなかなか戻らない視線の理由はここが一つの分かれ目だと思っているからか?


振り返らずこのまま帰るべきだと理性が唱え、それに反発するような本能がここに居たいと言うような。



「私・・・帰らないと・・・」


「・・・・・帰りたく・・ないくせに」


「っ・・・帰りたい」


「・・・じゃあ・・・振り返って・・・俺の目を見て言ったら?」


「っ・・・・」


「まっすぐに・・・目を見て言いきったらこの手を離してやるから」



そう言って、大して入らない力でしっかりと亜豆の細腕を握り直して軽く引く。



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