だから何ですか?Ⅲ
3人がかりだろうが同時に攻撃を仕掛けてくるわけじゃない。
一つの的に3人一気になど逆に動きに無理が出る。
しかもこの狭い裏路地だ。
スタートの勢いは同時でも最初に殴りかかってきたのは赤髪の男で、勢いよく振り切ってきた拳をその場から動くことなくひょいっと身を屈めて交わし、空ぶった勢いで俺の背後に行きかけた男の首の裏に一撃。
うっ、と鈍い声で倒れ込む赤髪の姿を見収めることなく、すぐに振り下ろされてきた鉄パイプを避けそれを握っていた青髪の両手首を下から蹴り上げる。
その衝動で軽く宙に浮いたパイプを手に取りながら青髪の腹部に蹴りを一発。
青髪が近くの壁に身をぶつけて崩れた時には殴りかかってきていた最後の黄色頭の腹部に鉄パイプを食らわせていて。
全てが流れ作業。
どいつも的確な急所狙いで打ちこんでおいたからそう簡単に動けることなく地面で悶絶して唸り声をあげている。
そんな中ですぐ近くで壁に寄りかかるように腹部を押さえて唸っていた男の目の前にカンッと音を響かせ鉄パイプを突き立てた。
当然面白い程怯んで『ヒッ』と体を跳ねあがらせた男に戦意はない。
そんな姿に体を折り曲げて覗き込み哀れむような笑みを一つ。
「いい勉強になっただろ?むやみに人を殴ったら痛い目見るぞって」
クツリと笑うと、男の被っていたキャップのつばを上に弾く。
それにすらビクリと体を跳ねらせた男は情けない程眉尻を下げて俺を見つめていて、ポケットから携帯を取り出すと真正面から写真を撮ってそれを相手に見せつけた。