だから何ですか?Ⅲ
渡されたバトンをスムーズに受け取り、今度は海音の真面目な視線がこちらを捉えて頷いてくる。
「ミケの話を聞いてすぐにその時期の仕事の契約条件を確認したんだ。そしたらやっぱりお前の名前だと相手からNGがかかってたらしい。でも、お前の仕事ぶりや才能に問題があったわけじゃない。だからこそNGの事実はお前本人に言いづらかったし本人のモチベーションを下げたくないと若手育成なんて名目で誤魔化していたんだと大貫部長が話してくれたよ」
「・・・部長にも余計な気遣いさせてたんだな」
「まぁ、それだけお前の事も、する仕事も認めてるって事だろ。ミケもお前も自社からも他社からも信頼されてるんだよ。裏切り切れない程に」
良かったな。と続きそうな小さな笑みは一瞬、すぐに本題に意識を戻す海音の表情は社長としてか友人としてか・・・。
ここにない姿の保護者代わりとしてか。
「信頼はありがたい話だけどもさ、つまりはネタバラシ出来る状況下に戻ってるからとも言えるよね〜」
「確かにな。実際に、俺にも三ケ月にも大口の仕事が回る様になった。つまりは広告を依頼する企業側に圧制が無くなったからだ」
「あの仕事に思い悩み始めた俺と伊万里くんに共通したものはなーんだ?」
「仕事が舞い戻った時に俺たちが失った共通のものは?」
お互いに答えが分かり切った謎かけた。