だから何ですか?Ⅲ
そんな違和感に気を取られつつも耳にリアルに入り込む話題の方がやはり優先的で。
だって・・・声を聞いてないって。
しかも・・・、
「数年って・・・年単位かよ・・・」
「凛生からは何も音を発しない、勿論俺たちからの呼びかけや問いかけにも答えることはない。下手したら同じ空間に居合わせても意識の範囲内に在る程度にしか感じてもらえてなかったんだと思う」
「・・・・・」
「音を発することもなく他人との接触を断って、ただ・・・自分だけが許した世界で生きてるような・・・そんな壊れ方だったよ」
「・・・・・・それ・・いつ」
「・・・・・高校2年くらいだったか。突然・・・壊れた」
「・・・突然?」
「突然・・・あの頃は俺も自分の立場とか仕事とかに必死だったし、麗生は麗生でそんな俺に寄り添ってた様な時期だったから。・・・気が付いた時には遅すぎてたんだよ。自分で自分の電源を落としたように・・・俺たちでさえ拒む姿になってた」
ああ、まただ・・・。
ふわりと気を引く様に漂う記憶の匂い。
それに引かれて記憶を振り返れば徐々に明確になり始める輪郭がある。