だから何ですか?Ⅲ
それでも従うしかないのだと、諦めたように、従順に動きを見せると高城のデスクに近づきデスクトップのパソコンにメモリを挿し込んだ。
「本当に亜豆は優秀だね」
「・・・・・」
そんな心にもない賞賛を聞き流し、カチリカチリとマウスを操作し表示されるリクエスト通りに進めてデータを開き始めていく。
「一応確認するけど。開いた途端に中身のデータが消えるとかそんな【お遊び】仕掛けてないよね?」
「・・・私がするはずない。出来る筈ない」
「そうだった。・・・愚問だったね」
それを出来ないように圧政をかけていたのはどこの誰だと非難するような眼差しで彼を一瞥。
それすらも愉快だと口元の弧を強めた姿にうっかり響かせそうになった舌打ちを心で一つ。
冷静になって凛生。
まだだ、・・・まだ、感情的になってはいけない。
そう、疼く葛藤を抑え込むと最後の確認のパスを打ちこみそのデーターファイルを開いた。
映し出されるのは様々な文書や数字の羅列。
逸れには椅子にどっかりと身を預けていた高城も身体を起こして食い入るように画面を見つめる。
その目は異常な程興奮に満ち、口元の弧は気色悪い程強まりその隙間からククッと音まで漏れてきた。