だから何ですか?Ⅲ
「・・・・本物の、大道寺の機密データよ。見ればわかるでしょ?」
「ああ・・・確かに本物らしい」
その意識はすでにパソコン画面の虜。
こちらに視線を向けもせず、ただただ映し出されるデータに興奮する男のあさましい事。
目障りだ。
そう思うと同時に挿し込んでいたメモリを引き抜き、当然こちらに戻った視線や意識に真っ向から挑み返した。
「本物だったでしょ?じゃあ・・・私にご褒美をくれていい筈よ」
「・・・・そうだったね。じゃあ、何が聞きたいのかな?」
その意識を向けた瞬間垣間見せたのはこの上ない憤りの姿であった。
きっとこの人の醜悪な本性。
でもすぐに自分の優位を示し笑顔を纏うと理解ある姿を示して私の要求に応えてくる。
さぁ、どうぞ。そう言わんばかりの笑顔の追及。
それに目を細めると、
「伊万里さんに何をしたの?」
何かしたのだろう。
その核心を持った追及の響きに、真っ先に返されたのは嘲笑。
その笑み一つが答えだ。
【何かした】のだ。
でなければ、あの人が連絡もなしに姿を消すはずがない。
ストーカー全開の姿に心にない呆れを口にし時間を過ごすはずであった。
でも・・・出向いた場所に求めた姿は無く、他を探し求め歩いても同じ事。