だから何ですか?Ⅲ



それを最後に追及すれば、パスワード欲しさ?



「・・・・・壊しても、本気で憤る持ち主がいないからだよ」


「・・・・・」


「本来であるなら最後まで頼れるはずの親がいない。友人も恋人も所詮は他人であてになるもんか。少しの言葉であっさり惑わされ思い込み抱いていた好意を敵意に変えるのが人間だ」


「・・・・・」


「頼りにする人間がいない、文句を言う親がいない亜豆はストレス解消をするには実に楽しく可愛い人形だったよ。自分が何者であるのか自信を持たせてくれる。支配する側の選ばれた人間なんだって自分を誇れた」


「・・・・・した事に・・・罪悪を感じた事は?」


「ないよ。」


「・・・・・」


「玩具でどう遊ぼうと持ち主の自由だろう?何で玩具に同情し懺悔の心を持つ必要がある?」



どこまでも・・・裏切らない悪意と薄っぺらな笑顔。



「・・・・・・・そう・・・よね」



そんな反応に失意に染まるでもなくむしろせいせいする。


もう頭の中は私という人形の事ではなく目の前のTVゲームに意識を引かれている姿はパスワードを求めて私を見つめる。



「・・・E、D、E、N」


「EDEN?・・・エデンね。皮肉だな。そのエデンの園をこうして略奪されるんだから」



クスクスと笑いながら私から得たパスワードを打ちこんでいく姿はどこまでも我欲に溺れて浸って。


浅ましく醜い事この上ない。



< 281 / 381 >

この作品をシェア

pagetop