だから何ですか?Ⅲ
抵抗をしなくては。
頭の中でだけはクリアにそんな思考が浮かぶのにその指令がどこかで歪んで体に反映しない。
未だにクワンクワンと目が回る感覚とままならない視界がもどかしい。
それ以上にのしかかる重みや触れられている感触に嫌悪が走って気持ち悪い。
さっきからひっきりなしに鳴り続けている電話はこの非常事態へ対しての連絡網だろう。
内線から携帯まで。
そして今まさに部屋の扉がノックされ『社長!』と慌てた部下の声が響くのに対して、
「分かってるっ!!対処しろ、無能がっ!!」
そんな風に吐き捨てる姿に自分の危機的立場を忘れて思わずフッと笑ってしまった。
その瞬間に眩暈に追い打ちをかけるように平手打ちを食らいさらに視覚に火花が散った。
直後、スルリと首に巻き付いてきた指先の圧迫感には軽く本気の混じった殺意が鮮明。
それにすら思わず口の端が上がって彼の怒りを煽る結果になったらしい。
「何がおかしいっ、殺すぞっ!!」
「・・・は・・は・・・・へぇ・・何でも人任せなあなたが自分で殺せるの?」
「黙れっ!!」
「っ____あ・・」
なんて中途半端な。
結局は本気で殺すような度胸もない男の中途半端な圧迫は厄介な事に苦しさが継続する。