だから何ですか?Ⅲ




はっはっ、とお互いに短く荒い呼吸を響かせる。


すでにシステムは破綻して復旧は叶わない状態になった頃合いだろう。


だからこそ、もう失うモノがないこの獣は一番手負いで危険だと感じる。


それを示す様に瞳孔が開き切った狂気の眼差しに自分を映しこまれ、いつも弧を描いていた口からは『玩具のくせに』『たかが人形が』なんて憎しみばかりの言葉が漏れて私に零れ落ちて。



「・・・どこで・・あなたが間違ったか教えてあげようか?」


「煩い、」


「どうして、たかが人形がこんな反抗をし始めたのか、」


「黙れっ!!」



っ____、


バシバシ、ガツガツ・・・殴ってくるなっての。


でも、こうして見上げる高城の顔にも自分がつけたであろう爪痕が無数に残っているからそれには満足の弧が浮かぶ。



「私だけにしておけばよかったんだよ」


「っ・・・・」


「チクチク・・・私だけ突いて遊んでれば・・・あなたが王様のドールハウスを壊そうなんて思ってなかった!」


「何をっ!!」


「あんたの間違いは私に踏み込みすぎた事っ!私の本当に大切な物にまで手を伸ばして悪戯に害した!!私はいくら詰られようがいびられようが無表情で流してあげる。でも・・・、

伊万里さんに手を出した事だけは絶対に許さない!!

あんたの薄っぺらでくだらない玩具の王国なんて崩れて地を這って嘆けばいい!!」


「っ___くそがぁぁぁ!!!!」



あっ・・・これは殴り殺される?


そんな事を一瞬の内に悟るのに何故か恐いと思わない。


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