だから何ですか?Ⅲ
化粧もしていないすっぴんのせいか余計に幼く感じる姿は亜豆の本質そのものなのかもしれない。
そんな姿を堪能しつつ軽く体を折り曲げると伸ばした手で再び亜豆の左足首を掴んで持ち上げた。
その行動にはさすがにもくもくと食べていた行為も羞恥も飛ばし、きょとんとした目を向けてくる亜豆をちらりと確認。
『何?』と言いたげな問いが眼差しに揺れていて、それに口元の弧を強めるだけで音は発さず。
代わりにポケットから取り出した【答え】をするりと亜豆の足首に巻きつけてやった。
「っ______!!」
ああ、驚愕の表情は大成功?
元々大きな双眸を目玉が溢れ落ちんばかりに見開いて、その視線は俺の顔と足首への行ったり来たり。
手に力を入れすぎた?
ボタリとカスタードクリームが亜豆の黒いワンピースに模様を広げた。
でも、そんな事すらお構いなしの心情らしい亜豆の意識はこちらにあって、
「っ・・・あの、」
「ああ、気にしないで食ってろって。勝手に進めるって言ったろ?」
「だって・・えっ、」
「ピアスと迷ったんだ。・・・ネックレスとも。なんだかんだまだ買ってやれてなかったし」
「ちょっ、」
「でも、なんか新しいのって感じじゃなくて。亜豆が着けてた物に俺も変に愛着あって。・・・どれも、亜豆の肌にあって欲しい」
「っ・・・・」
小さくて控えめな石のピアスはこの観覧車にも思い出がある。
自分の予約券だなんてそれを預かった事もあった。