だから何ですか?Ⅲ
それは向かい合っている亜豆も充分に理解して、だからこそ思わぬ直球に呆けて反応が遅れているんだろう。
それでも何か音を発さねばと僅かに動く唇と、ようやく動揺にチラチラ揺れ動き始めたその瞳。
多分、亜豆の中で打ち出される切り返しの答えは凡そ予測がつく。
今まさにその答えが打ち出される寸での頃合いだろうと小さく笑い、亜豆がその音を発する前に、
「だから・・・、」
「っ___」
「・・・・つきあってくれないか?俺と・・もう一度」
「っ・・・いまりさ、」
「好きだから、亜豆 凛生が欲しい」
「っ_____」
あっ・・・勿体な。
床にボトリと無残にも散ったシュークリームには一瞬そう思えど口元は静かに笑う。
ガタンと揺れた車体にはいささか高さもあって怯む感情も沸いたというのに。
全部全部相殺だ。
弾かれた様に俺の腕の中に飛び込んできた姿の甘ったるい匂いに。
柔らかさに。
温かい。
愛おしい。
飛び込み首に腕を巻きつけ顔をしっかりと肩に埋め込み縋りついている亜豆を柔らかく包み込むように腕をまわして。
キュッと抱き寄せれば溜めこんでいたもどかし気な息をようやく解放したような息遣いが耳を掠め、直後。