だから何ですか?Ⅲ
至って本気の一言だと言いたげな真顔にまた笑いが誘われて、クスクス笑いながら抱き寄せるとその流れで耳を食んでやった。
「っ~~ひぁっ!!」
「よしよし、耳の弱さは健在っと」
「っ・・・何の確認ですか」
「えっ?寝かしてもらえないらしい時間のリサーチ?」
ククッと笑って不満げな唇にそっと自分のを押し重ねる。
不満げであった癖に重ねてしまえば甘えるように啄み返してくるのだからどこまで俺に堕ちてくれているのか。
キスというような啄みはやめて、それでも名残惜しさから僅かに触れさせたままの至近距離。
シンッとなった車内ではただ観覧車の回転音が鮮明で、視線を走らせた景観はすでにかなり下に下がってきている。
観覧車に乗って結局は景色をまるで堪能せずな時間であったな。なんて、心の内で突っ込み苦笑いを浮かべていた刹那。
「・・・・ただいま」
小さく耳に響き唇を掠めた声音。
そんな響きに驚愕したのは一瞬で、すぐにフッと口の端を上げると、
「おかえり・・・凛生、」
帰巣を求める声音を聞き入れ受け入れ、そっと直に耳にその言葉を吹き込んでやる。
俺の言葉に心底安堵したような息を吐くと、静かに甘えるように抱き付いてきた姿。
そんな体をしっかりと抱きしめ、なかなか下がり切らない観覧車の時間を歯がゆく感じながらもようやく心からの安堵を覚えた。