だから何ですか?Ⅲ
あっさりとクールでドライで掴みどころのなかった亜豆の崩壊。
今までどうしても埋まらなかった距離が一気に隣り合わせに来たような瞬間。
隣に並んでしまえば今まで自分を翻弄していた姿は実に幼く小さい気がする。
本気で羞恥からの拒絶を全開に、掴まれている手を命一杯に突っ張らせ後退している姿はその顔さえも俯き横に流れていて、尽きることなく『待って』とか『だって』とか『無理』なんて言葉をぼそぼそと落とし続けている。
あー・・・可愛い。
何この生き物。
そうか、掴めなかった部分を掴んでしまえば明確になるのはお嬢ちゃんだったか。
「・・・亜豆、」
「っ・・・は・・はい?」
「くっそ可愛いから犯していい?」
「っ___!!!無理っ!!・・って、きゃあぁぁぁ!!」
「あはは、襲いがいある悲鳴ごちそーさん」
いつまでも挙動不審な亜豆を眺めて堪能するのもオツであったけれど、健全男子としてはやはり身体的にも愉しみたいと欲が疼くわけで。
それでも意地悪継続にさらりとした表情で名前を呼んで安堵させ、直後には突き落とすような一言を満面の笑みで投げかける。
その瞬間の亜豆の表情は可愛い通り越して笑えた。