once again〜season2〜
「美玲…これは、蓮さんと私の思いは同じなの。出た結論なの」

「涼香…っ」

美玲の頬には涙が伝っていた。美玲も室長と同じように悩んでいたから。
室長の如月商事に対する思いを知っていたから、長峰堂に来てほしいとは言えないでいた。私もまたその美玲の思いが痛いほど分かっていた。

「蓮、本気で言ってるのか？」

「あぁ、本気だ。何回でも言ってやるぞ？」

蓮さんの本気が伝わったのか、室長は言葉をなくしていた。それに蓮さんは言葉を繋いだ。

「匠、お前が悩むのは十分過ぎるぐらい俺は分かっている。だからこそ、命令する。長峰堂に行け」

室長は言葉を失ったまま震えていた。

「室長、蓮さんも悩んで出した答えなんです。美玲と長峰堂に行ってください」

私は室長と美玲に頭を下げた。

「や、やだ。涼香、あなたまでなんで頭なんか下げるのよ。私は…」

「美玲、室長が長峰堂に行く限り、あなたもここにいたらダメなの。室長を支えられるのは、あなたしかいないのよ？」

美玲の手を握った。
その手に美玲の涙が落ちた。

「涼香…ありがとう…」

「蓮、俺が言いにくかった事を…」

「失敗したら帰ってくんなよ」

蓮さんは笑っていた。
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