姫は王となる。
ドクン。
「っ…」
何で…
そんな冷たい目で見るの?
「王様…王様が考えるべきことは、この国を守ることです。国民の命、財産、国の安定…そして、王様のお母様であるお妃様を助けることです」
そんなの…
そんなの、わかってる。
「そのためには、西国の力添えが必要なのです。西国の王様から縁談が提案されるなど、思ってもみなかった好機でございます」
わかってる…
わかってる!
「わかってる!!!」
大きな声で、叫ぶように言った。
ハァハァ…
感情に任せたまま声を出したため、息が切れる。
ハァハァ…
「…わかってる…」
風の言っていることはわかる。
風の言っていることは正しい。
けどー…
私の心はー?