極上御曹司に求愛されています
「え、え、なに? どうしたんですか」
木島の手を振りほどこうとするが、強く掴まれた手首はぴくりとも動かない。
芹花は訳が分からず焦るが、木島が芹花の手を放す気配はない。
「じっとしてろよ。お望みどおり、キレイに食べられないだろ?」
決して命令口調ではなく、どこか艶っぽさを感じる声音に、芹花は思わず従った。
「よし。いい子だな」
木島は芹花の目を見つめたままアイスに顔を寄せた。
その目から、芹花は視線を逸らせない。
そんな芹花に気づいているのか、木島は見せつけるようにアイスを口にした。
芹花の目の前で、唇で甘噛みするように何度もアイスをなめる。
「思ったより甘いな」
アイスを食べ終えた木島は、唇に残ったアイスを舌でなめとった。
あまりにも色気のある一連の動きに、芹花の体は魔法にかかってしまったかのように固まってしまった。
「ごちそうさま。やっぱり千奈美さんが用意してくれるものはなんでもうまいな」
芹花の手首を掴んでいた木島の指がそろりと彼女の肌を撫で、ぴくりと体が揺れた。
「や……」
小さな刺激に大きく反応し、声が漏れた。
芹花は思わず掴まれていない手で口をふさいだ。
「えっと、あの」
なにをどう言えばいいのかわからず、かといって沈黙には耐えられず、意味のない言葉を口にすると、木島はふっと息を吐き出した。
「ごちそうさま」
絡み合う二人の視線は、アイス以上に甘さを含んでいた。