極上御曹司に求愛されています
翌日、悠生と芹花がブライダルフェアで頬笑み合う写真と、悠生と楓が悠生のマンションから連れ立って出てくる写真が週刊誌に掲載され、予想していた通り大騒ぎになった。
ネットニュースもテレビのワイドショーもその話題でもちきりで、三井法律事務所にはマスコミからの問い合わせが殺到した。
木島家と三井があらかじめ打ち合わせをし、仲のいい友人だとコメントを出したが、当面はマスコミに追われる日が続くだろう。
それは悠生が働く銀行も同様で、記者たちが押しかけ、かなりの騒ぎになっている。
芹花はその騒ぎにため息を吐きながらも、不思議と心は穏やかだった。
昨夜悠生に抱かれたせいか、芹花には不安も何もない。
なんとも単純だなと思うが、このままどうにか騒ぎが鎮まり無事に半年が過ぎればいいと、思っている。
週末には礼美と修の結婚披露宴に出席するために地元に帰り、そこではサイン会も予定されている。
今一番の気がかりは、それが何事もなく終わるかどうか、そのことだけだ。
落ち着かない気持ちで仕事を進め、そろそろ終業時間という頃、三井が所長室から顔をのぞかせた。
「天羽さん、今から悠生君の記者会見らしいぞ。木島悠生、二股疑惑について釈明か? ってテレビでやってるけど」
三井は早口でそう言って芹花を手招いた。
芹花は慌てて三井のもとに駆け寄り、所長室に入った。
三井の言葉に事務所内はざわつき、誰かが電源を入れたのか、テレビの音声が聞こえてきた。
芹花も所長室のテレビの前に立ち、食い入るように見つめた。
「記者会見はしないって聞いていたんですけど」
どうしたのかと心配する芹花に、三井も頷いた。
「昨日の打ち合わせでも、記者会見は開かず、天羽さんは友人だということで通すと確認したんだけどな」
「あ、入ってきましたね」
テレビ画面に映るホテルの広い宴会場には、大勢の記者やカメラが集まり、正面には長テーブルが置かれている。
そこに現れたのは悠生だけでなく、木島グループトップの成市と、悠生の兄愼哉、そして顧問弁護士だった。
たくさんのフラッシュが光る中、三人は頭を下げ、席に着いた。
成市の隣の席に着いた悠生は、姿勢を正し、正面を見据えている。
時折笑顔を浮かべる表情からは緊張している様子はまるでなく、どこかこの状況を楽しんでいるようにも見えた。
いったい何を言い出すのかと息を詰めて会見の様子を見守っていると、成市がマイクを手に取った。
そして、記者たちを見まわし口を開いた。