極上御曹司に求愛されています
ホッとした表情を見せる芹花に、悠生はいたずらめいた表情を浮かべ、スマホに視線を落とすと、指先を動かした。
【で、結婚式って、どういうことなんだ?】
芹花のスマホに、悠生からのメッセージが届く。
「うっ……」
芹花は声をつまらせた。
来月の結婚式のことを思い出せば、途端に気が重くなるのだ。
悠生との距離が近づいてふわりとした気持ちになったのも束の間、一気に重々しくなる。
「まさか、芹花が結婚するわけじゃないよな?」
強い口調の悠生に、芹花はぶんぶんと首を横に振った。
「結婚するのは私じゃなくて。えっと、地元の友達と……」
芹花はそう言って、言いづらそうにうつむいた。
悠生は怪訝そうな表情を浮かべた。
「地元の友達って、新郎? 新婦?」
「新婦です。高校の友達です」
次第に小さくなる芹花の声に、悠生は眉を寄せた。
「もしかして、結婚式に行きたくないのか?」
「あの、そういうわけでは、ないんですけど。やっぱり行きづらいというか。あ、違うんです。行きづらいってことはなくて、気が進まないというか。えっと、そうではなくてですね」
芹花は自分の言葉に焦り、軽くせき込んだ。
悠生は芹花の手に水の入ったグラスを渡した。
芹花はかすれた声で謝りながら水を飲み、ようやく落ち着いた。
できればこれ以上突っ込まれたくないなと思いながら、息を整えるが、悠生にそのつもりはないらしい。