『The story of……』
(良いなぁ……そんな関係って)
福士くんの実は思いやりのある所。
それを理解し、支える優しい十二谷くん。
そんな二人の関係を羨ましく思いながら、わたしの風紀委員としての日々がスタートした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「テスト前に悪かった」
「ううん。それはお互い様だよ」
委員会の顔合わせから数日。
前回の委員会で上がった議題の一つである備品のチェックをしていた福士くん。
一応当番制になっていたけど、テスト一週間前の担当を全部一人で請け負っていた福士くんに声をかけたのだった。
「三年生は受験が掛かってるし、一年生は初めてのテストだもんね」
きっと福士くんは、そう思って自分をこの時期にしたんだと思う。
「凌亥には内密に頼む」
「えっ?」
「凌亥のことだから自分もやるって言い出しかねない。アイツには原稿を頼んでしまったからこれ以上はな……」
やっぱり、福士くんも十二谷くんと同じくらい彼のことを考えてるんだ。